ビットフライヤーで仮想通貨の取引をすると、一定の手数料がかかります。手数料はビットフライヤーの運営のためには必要なもので、どの取引所を利用しても大なり小なり掛かる費用です。
それでも利用者の立場としては、できるだけ手数料を低く抑えて賢く利用したいものです。
ビットフライヤーの手数料は他の仮想通貨取引所と比較して高いのか安いのか、ビットフライヤーの手数料にはどのような種類があるのか解説します。
【高い?安い?】ビットフライヤーの手数料一覧

ビットフライヤーは、仮想通貨の価格を確認するだけなら無料で利用することが出来ますが、入出金など取引に関わる行動については、基本的に全て手数料がかかります。
手数料は、取引に関わる何らかの行動を起こす毎にかかってきます。
1回あたりの手数料は少額でも、何度も仮想通貨の取引を繰り返して、入出金や売買の回数が多くなれば、それだけ手数料もかかっていくことになります。
ビットフライヤーの手数料は大きく3つに分類できると考えることができます。
①入出金や送金にかかる手数料
②仮想通貨の「販売所」にかかる手数料
③仮想通貨の「取引所」にかかる手数料
ビットフライヤーの販売所と取引所の違い
ビットフライヤーの手数料の体系を理解するためにまず重要なのが、ビットフライヤーは内部では「販売所」と「取引所」に分かれていて、それぞれ手数料も違うということです。
販売所と取引所の違いは、次のようにまとめることができます。
販売所 | ビットフライヤーを相手に仮想通貨を売買する場所 |
ビットフライヤーが提示する買値と売値には差額(スプレッド)がある | |
ビットコイン、アルトコインともに取り扱っている | |
取引所 | 他の仮想通貨所有者と直接売買する場所 |
仮想通貨を時価で売買することができ、スプレッドが無い | |
現時点で取り扱っているのはビットコインのみ |
ビットフライヤーの入金手数料
ビットフライヤーへの入金方法は、銀行振込とクイック入金の2種類があります。手数料もそれぞれ違ってきます。
入金方法 | 手数料 |
銀行振込 | 各金融機関の振込手数料 |
クイック入金 | 324円(税込)/件 |
クイック入金には次の3つの方法がありますが、手数料は全て同じです。
- ネットバンクからの振り込み
- コンビニ決済
- Pay-easy(ペイジー)入金
ビットフライヤーの出金手数料
ビットフライヤーから出金する場合、三井住友銀行とそれ以外の金融機関で出金手数料が異なってきます。
さらに出金額が3万円以上になると、出金手数料が変わることにも注意して下さい。
出金方法 | 出金額3万円未満の場合 | 出金額3万円以上の場合 |
三井住友銀行 | 216円(税込) | 432円(税込) |
三井住友銀行以外 | 530円(税込) | 756円(税込) |
ビットフライヤーの送金手数料
仮想通貨の世界では、ビットフライヤーなど自分が使っている取引所から、他の取引所やウォレットに仮想通貨を送ることを送金と呼びます。
ビットフライヤーの送金手数料は、ビットコインとそれ以外に分けられます。ビットコインは利用者負担ですが、アルトコインについては現時点ではビットフライヤーが負担しています。
送金手数料(ビットフライヤー宛を除く) | 0.0004BTC |
仮想通貨を送金すると、ブロックチェーンにその記録が記載されることになり、マイナーがマイニングする過程を経て承認されることになります。
送金手数料は、マイニングをしているマイナーに報酬として支払われるもので、一般的には送金手数料が多い取引データから優先して取引の承認がされます。
送金手数料が安過ぎる場合は、マイナーの対応も後回しとなり、承認に時間がかかってしまうということなのです。
ビットフライヤーの送金手数料は、利用者の利便性に配慮して、比較的承認処理がされやすい手数料に設定されています。
ビットフライヤーの売買手数料(販売所にかかる手数料)
ビットフライヤーの売買手数料は、ビットコイン、アルトコインともに現時点では無料です。
ビットフライヤーの売買手数料が無料なのは、期間限定のサービスとされていて、終了する場合は終了2週間前に告知とされています。
それでは、今この瞬間はビットフライヤーでは手数料無しで仮想通貨を売買できるの?というと、利用者感覚としてはちょっと違うんです。
スプレッドという売買価格差があり、事実上スプレッド差額を手数料として支払っていると考えて良いです。
スプレッドとは何か
スプレッドとは、仮想通貨の買値と売値の差額のことを指します。スプレッドは固定の料率では無く、仮想通貨毎に異なり、その時々の価格に応じても変動します。
スプレッドは、それぞれの取引所が独自に設定しています。
スプレッドの実例

ビットフライヤーのスプレッドを、実例で見てみましょう。
1BTCの購入価格が943,613円、日本円参考総額が906,600円となり、差額の37,013円がスプレッド(事実上の売買手数料)です。このタイミングでは、購入価格に約3.9%の手数料が含まれていると考えて良いです。
ビットフライヤーの取引手数料(取引所にかかる手数料)
ビットフライヤーの取引所は、現時点ではビットコインのみ取り扱っています。
ビットフライヤーの取引所にかかる手数料は、直近30日間の取引量をもとに、次のように定められています。取引量が多くなればなるほど、手数料が下がっていく仕組みになっています。
直近30日間の取引量 | 手数料 |
10 万円未満 | 0.15% |
10 万円~ 20 万円未満 | 0.14% |
20 万円~ 50 万円未満 | 0.13% |
50 万円~ 100 万円未満 | 0.12% |
100 万円~ 200 万円未満 | 0.11% |
200 万円~ 500 万円未満 | 0.10% |
500 万円~ 1,000 万円未満 | 0.09% |
1,000 万円~ 2,000 万円未満 | 0.07% |
2,000 万円~ 5,000 万円未満 | 0.05% |
5,000 万円~ 1 億円未満 | 0.03% |
1 億円~ 5 億円未満 | 0.02% |
5 億円以上 | 0.01% |
ビットフライヤーの手数料を抑えるためには

ビットフライヤーの各種手数料を見てきましたが、ビットフライヤーの手数料を抑えるためにはどうしたら良いのか、解説します。
入金手数料を抑えるためには
ビットフライヤーの入金手数料を抑えるためには、三井住友銀行か住信SBIネット銀行のどちらかに口座を開設して、銀行振り込みで入金すると良いです。
クイック入金は、24 時間 365 日、日本円を口座に入金できるサービスで、急ぐ時には非常に便利ですが、1件あたり324円(税込)の手数料がかかります。
都市銀行の他行宛振込手数料に比べると安い金額に設定されていますが、何度もクイック入金を行えば、手数料だけでもかなりの金額になってきます。
ビットフライヤーの入金口座は、三井住友銀行と住信SBIネット銀行の2つです。どちらかに口座を開設しておけば、同じ銀行内での送金となるので振込手数料も優遇されます。
特に住信SBIネット銀行は、住信SBIネット銀行の口座宛の振込手数料を無料としているので、ビットフライヤーへの入金手数料もゼロ円となります。
金融機関 | 振込手数料 |
三井住友銀行(SMBCダイレクト) | 108円/件 |
住信SBIネット銀行 | 0円/件(無料) |
出金手数料を抑えるためには
ビットフライヤーの出金手数料は、三井住友銀行とそれ以外の金融機関で異なります。三井住友銀行に口座を開設しておくと、ビットフライヤーの出金手数料を抑えることができます。
入金・出金どちらの手数料も最安値とするためには、三井住友銀行と住信SBIネット銀行の両方に口座を開設する必要がありますが、入金・出金を行う頻度は考慮すると良いです。
一般的には、仮想通貨の取引を行っていくと、入金頻度の方が出金頻度よりも多くなる傾向があります。入金は頻繁に行う一方で、出金は節目となるタイミングでまとめて行うことが多いためです。
実際の入出金頻度を考慮すると、住信SBIネット銀行の口座を優先して開設することをおすすめします。住信SBIネット銀行の口座開設は、こちらから行うことができます。
送金手数料を抑えるためには
送金手数料は他の手数料とは違った性格を持ちます。送金手数料は、承認作業を行うマイナーへの報酬なので、送金手数料が安くなればなるほど、処理は後回しにされます。
大手の仮想通貨取引所の中でも、ビットフライヤーとコインチェックはほぼ同水準で、ザイフは明らかに安く設定されているのですが、ザイフの送金時間は非常に遅くなる場合があります。
送金時間は、その時々のマイナーのマイニング処理量によっても異なってきますので一概には言えませんが、時間的な利便性も考慮してみると良いでしょう。
売買手数料を抑えるためには
ビットフライヤーの売買手数料は、ビットコイン、アルトコインともに現時点では無料とされていますが、売買スプレッド価格差が事実上の売買手数料となっています。
スプレッドの水準を、利用者が恣意的にコントロールすることは不可能ですが、ビットコインについてはより安価に購入する方法があります。
ビットフライヤーは、ビットコインの販売だけでなく、取引も行うことができます。ビットコイン取引所というメニューから、取引画面に移行することが出来ます。

ビットコインの販売と取引は厳密には異なります。販売は、ビットフライヤーが所有しているビットコインを利用者が購入することです。一方、取引とは、ビットコインを売りたい人と買いたい人の仲介を行うことを指します。
ビットフライヤーのビットコインの取引手数料は、0.01%~0.15%と、スプレッドと比較して低い水準です。ビットコインについては、「取引所」を利用するのが賢い方法と言えます。
ビットフライヤー以外の取引所と手数料を比較
仮想通貨取引所の大手3社、ビットフライヤー、コインチェック(coincheck)、ザイフ(Zaif)の入金・出金・送金に関わる手数料とスプレッドを比較しました。
スプレッドについては、2018年2月初旬時点での調査結果です。
ビットフライヤー | コインチェック | ザイフ | |
入金手数料(振込) | 0円(住信SBIネット銀行) | 要振込手数料 | 0円(住信SBIネット銀行) |
クイック入金 | 324円 | 756円~ | 486円~ |
出金手数料 | 216円(3万円未満) | 400円 | 350円(50万円以下) |
432円(3万円以上) | 756円(50万円以上) | ||
送金手数料 | 0.0004BTC | 0.0005BTC | 0.0001BTC |
BTCスプレッド | 約3.9% | 取引停止中 | 約3.9% |
BTC取引手数料 | 0.01%~0.15% | 0% | -0.01% |
比較してみると、基本的な入出金に関わる手数料についてはビットフライヤーの優位性が目立ちます。
その一方で、ビットコイン取引については、ザイフのマイナス手数料が目を引きます。ザイフは、ビットコイン取引の際にマイナス手数料が適用されるので、活発に取引をすればするほど得になる仕組みを採用しています。
まとめ

- ビットフライヤーの内部は「販売所」と「取引所」があり、それぞれ手数料が設定されている
- ビットフライヤーの基本的な入出金に関わる手数料については大手取引所のなかでも最安値水準
- 特に住信SBIネット銀行に口座を開設しておけば入金手数料はゼロ円となる
- ビットフライヤー「販売所」の売買スプレッドの幅は大きく、実質的な売買手数料は高くなる
- ビットコインについてはビットフライヤー内の「販売所」では無く「取引所」を使った方が安い
ビットフライヤーは信頼性も高く、取引画面も使い易い仮想通貨の取引所です。基本的な入出金の手数料についても、特に住信SBIネット銀行に口座を開設しておけば、安価に運用することができます。
ただし、ビットフライヤーで仮想通貨を売買する時のスプレッドの料率は大きく、ビットコインについてはビットフライヤーの中でも「取引所」を利用した方が安価に購入できます。
総合的には、仮想通貨を初めて購入する場合や長期保存する際にはビットフライヤーを中心に、短期で売買を繰り返すときには他の取引所、特にザイフを組み合わせて利用すると良いでしょう。