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イーサリアムクラシック(ETC)の基本情報
通貨名 | イーサリアムクラシック(Ethereum Classic) |
通過略号 | ETC |
公開日 | 2016年7月20日 |
発行上限枚数 | 無限(理論上制限なし) |
ブロック生成間隔 | 約12秒 |
国内取扱取引所 | コインチェック・GMOコイン・ビットフライヤー |
公式サイト | https://ethereumclassic.github.io/ |
アルゴリズム | Ethash/Casper |
供給量 | 99062218ETC(2018年1月時点) |
イーサリアムクラシック(ETC)が誕生するきっかけとなった「The DAO事件」とは

仮想通貨のことを少しでもかじったことがある人なら、ビットコイン以外にも「イーサリアム」っていう仮想通貨があることはご存知だと思います。そもそもの疑問として、「どうしてクラシック」って、いう単語が名前に付いているんでしょうか?
「別に要らないんじゃない?」って思ったりもしますが、「クラシック」と付くのにはそれなりに理由があります。2016年当時、イーサリアムという仮想通貨がありました(今もあります)。
仮想通貨の中で時価総額が2位になるくらい人気のある仮想通貨だったのですが、2016年6月にハッキング被害にあってしまうのです。その額360万ETH(イーサ)で、約52億とも64億とも言われています。
この事件を受けて対応に追われた開発チームは、「ハードフォークによって不正送金が行われる前の状態に戻す」という方法をとります。(ハードフォークをするとハッキングされた通貨は使えなくなる)
この方法にコミュニティの約9割が賛成し、ハードフォークは実行されて、このハッキング被害は無効化されました。しかし、解決方法を中央集権的介入だとし、納得しない技術者を始めとするコミュニティの一部が反発し、ハードフォークを拒んだのです。
そして彼らの「ソフトフォーク」により、「イーサリアムクラシック」が誕生したのです。
そうして誕生した「イーサリアムクラシック」は、ハッキングの被害に合わないように、セキュリティー面を向上させ、拡張性を制限されている作りになっています。
ここは勘違いしやすいポイントで、私も当初は勘違いしていたのですが、「イーサリアムクラシック」は、このTheDAO事件で新たに生み出されたのではなくて、元々のイーサリアムをソフトフォークした暗号通貨「イーサリアムクラシック」なのです。
ハードフォークによって、新たに生まれたのは「イーサリアム」(今の)です。名称が同じだから、同じ暗号通貨だと思いがちですが、実は違う暗号通貨なんですね。
「イーサリアムクラシック」に「クラシック」がついているのは、TheDAO事件の前のイーサリアムの流れをそのまま受け継いでいるからこその「クラシック」というわけです。
イーサリアム(ETH)とイーサリアムクラシック(ETC)は何が違うの

ここまで書いてみても、理解するのがなかなか難しい暗号通貨ですが、「イーサリアム」と「イーサリアムクラシック」ってどんな違いがあるのでしょうか?派生したのだから違いなんて少ないような気がしますが・・・まとめてみました。
暗号通貨としての機能面の違い
機能面では、ほとんど違いがありません。そりゃ、そうですよね。だって、派生した訳ですから。
ブロックチェーン上で契約をプログラム化する仕組みのスマートコントラクトという「イーサリアム」の機能は、どちらにもあります。
それと、暗号通貨によく出てくる「ブロックチェーン」っていうキーワードがありますが、これは一言でいうと台帳。「分散型台帳技術」のことを言います。
ウィキペディアには下記のように書かれています。
ビットコインの中核技術(Satoshi Nakamotoが開発)を原型とするデータベースのこと(Wikipediaより)
コミュニティーの考え方の違い
暗号通貨の世界っていうと、ソースコードによるシステムが大きな割合を占めていますし、これが全て!と言っても言い過ぎじゃありませんが、それらを作るのも扱うのも人間です。
感情の生き物の人間は、考え方だったり、信念だったりと言った「感情」が大きく物を言うものです。私達が普段喜んだりムカついたりするのも、感情ですからね。
イーサリアムクラシックも「中央集権的か」、「非中央集権的か」という信念の違いから分裂しました。
- イーサリアム=中央集権的な考え方のコミュニティ
- イーサリアムクラシック=非中央集権的な考え方のコミュニティ
この違いが大きいんですね。
市場規模の違い
投資目的の暗号通貨の場合、市場規模というのは重要なポイントでもあります。市場規模が大きいと、資金量が多くて経営状態が安定しますからね。
時価総額でイーサリアムは現在、ビットコインにつぐ2位の規模があります。(ドルベース)
一方、イーサリアムクラシックは、新たに誕生した他の通貨の影響などもあり、時価総額ランキングはなかなか上がらない現状です。(10位前後を行き来しています)
イーサリアムクラシック(ETC)のメリットとデメリット

そんなイーサリアムクラシックのメリットとデメリットを知ることも大事。投資対象となるからには、良い点も悪い点も把握するのは当たり前ですからね。
メリット
- 記事の中にも書きましたが、イーサリアムから分裂したので、暗号通貨としての特徴は同じ
- 非中央集権的な概念
- 他の通貨同等の取引環境
イーサリアムと特徴が同じって結構重要で、「時価総額2位の通貨と同じ」っていうフレーズだけでも投資家に安心感を与えることに繋がります。
それに取引環境も他の通貨と同等って環境も重要。アクセスできなきゃ何にもできません。
デメリット
- 価格変動の影響を受けやすいし、影響を与えることがある
- 現状だとイーサリアムの下位互換
信念の違いから袂を分けましたが、イーサリアムと基本的な機能が同じですし、私達個人投資家からみれば、どっちも同じようなもので兄弟みたいな仮想通貨だから、お互い影響しあうんです。
まとめ
- イーサリアムクラシックの基本情報
- イーサリアムクラシックが誕生する「The DAO事件」
- イーサリアムとイーサリアムクラシックの違い
- イーサリアムクラシックのメリット・デメリット
について書いてきました。
暗号通貨に投資するなら、まずは投資対象を徹底的に調べてリスクを把握することが、個人投資家には必須です。大事な自分の資産(お金)を投資するわけですからね。