
目次
【将来性なし?】ネム(NEM/XEM)の価格が今後下がる可能性について

2018年3月10日現在で、NEMの相場は36円です。最も高値だった2018年1月の211円と比べて、5.8倍も下落しています。
今後さらにNEMが下がり続ける可能性があるのかという点で、下記のポイントが挙げられます。
コインチェック事件の尾を引く
2018年1月に、日本の仮想通貨交換所のコインチェックから5.4億XEMが盗まれました。
これにより、一般の方々は「NEMは危ないんじゃないんか?」という認識を持ってしまった可能性があります。
ただ、このNEMの盗難は、通貨自体のセキュリティの問題ではなく、コインチェック社の管理体制の甘さによるものでした。
それでも人間の心理としてはNEMに疑念が生まれるようで、コインチェック社の流出後からNEMの価格下落は急激に起こっています。
盗まれたNEMが大量に売られる
NEMを盗んだハッカーは、他の通貨に交換することでNEMを現金化しようとします。
現在も匿名性の高い通貨に変えられたり、ダークウェブという闇サイトで安い価格で盗まれたNEMが売られており、4割以上が販売済みになってしまっています。
今後もこの売りが続いてしまえば、NEMの価格はさらに下がってしまう可能性があります。
【将来性あり?】ネム(NEM/XEM)の価格が今後上がる可能性について

それでは、NEMが将来価格が上がっていく可能性はあるのでしょうか。
実は、コインチェック事件について悲観的な意見も書きましたが、今後NEMの価格が上がる材料も多くあります。下記にまとめました。
カタパルトの実装
NEMでは、今後カタパルトというアップデートが実装されます。
これにより、取引の処理速度が早くなったり、通貨として非常に使いやすいものになります。
詳細は後述しますが、カタパルトによってNEMの実用性が上がれば、実際の買い物にも使われるようになり価格が上がる可能性があります。
Wechatとの提携
中国版のLINEのようなアプリで、WeChatというものがあります。
WeChatは利用人数が非常に多いアプリですが、このアプリでNEMを使った支払いが可能になりました。
これにより、今後NEMの需要が上がり価格が上がる可能性があります。
mijinとの提携
mijinは、クラウド上などにプライベートなブロックチェーン環境を構築できるシステムです。
ジャパンネット銀行などの大手企業が参画しており、このmijinにNEMの開発チームが参加しています。
mijinは決算システムや情報処理システムなど、様々な分野で活用されていきますが、mijin上ではNEMのブロックチェーンが使用されます。
そのため、今後多くの企業がmijinに参加することにより、NEMの価格上昇が見込めます。
参考:https://blog.nem.io/jp-outlining-the-relationship-between-nem-mijin-catapult/
ネム(NEM/XEM)の今後のリスクについて考察

NEMは技術的に優れており、将来性が非常に期待できる通貨ではありますが、リスクが全く0ではありません。
今後NEMにリスクがあるとすればどのような問題があるのか、下記にまとめました。
スーパーノードの枯渇問題
NEMでは、スーパーノードという仕様があります。NEMを300万XEM以上保有していれば、毎日300XEMが貰えるというシステムです。
このスーパーノード報酬の財源は、NEM財団から捻出されています。
スーパーノードに関する財源はおよそ2億XEMで、2020年の夏頃に枯渇予定となっています。
2020年に枯渇した後は、取引手数料の一部がスーパーノード報酬として支払われますが、報酬の額は大幅に下がります。
スーパーノードの報酬が貰えないとなると、大量にNEMを保有している人物がNEMを手放す可能性もあり、売りの量が多くなれば価格が下がってしまう可能性があります。
ただ、NEMは総発行量が90億XEMで、現在のスーパーノードのNEM残高は17億XEMほどです。
つまり、NEM全体から見ればスーパーノードに使われているNEMは19%程度で、これらのNEMが全て売られても価格が半減することはありません。
将来的に、2020年頃に価格が下がる可能性はありますが、現在のレートと比べればそれでも得をする可能性は大きいです。
テックビューロ社との結びつき
国内取引所でNEMを購入できるのは、コインチェック社が停止しているため現在はテックビューロ社のZaifのみです。
特にテックビューロ社はNEMを推しており、テックビューロ社が扱うCOMSAなどのトークンとNEMの結びつきが強いため、仮にテックビューロ社が倒産すればNEMへのダメージは大きいものとなります。
取引所の倒産リスクは大きくはありませんが、過去にコインチェック社が5.4億XEMをハッキングにより盗まれたりと、リスクがゼロというわけではありません。
テックビューロ社が倒産してもNEMに与える影響を少なくするためには、よりNEMが一般的な取引決済で使用されていく必要があります。
ネム(NEM/XEM)の今後起こるカタパルトについて

ネム(NEM/XEM)のカタパルトによって、今後NEMがどうなるかをまとめました。
大きく分けて6つほどのアップデートがありますが、これだけではなく今後も様々なカタパルトが実装される可能性もあります。
取引の処理速度が速くなる
NEMでカタパルトが実装されると、秒間4,000トランザクションの処理が可能になります。
つまり、1秒間に4,000件の取引が可能になるということです。
クレジットカードのVISAも同じ程度の秒間4,000件の取引を処理していますので、NEMの今後の実用性が期待されます。
どれくらい速くなるのかの参考に、下記に他の通貨のスピードをまとめました。
- ビットコイン:7件/秒
- イーサリアム:15件/秒
- mijin:3,085件/秒(最大4142件)
- リップル:1000件/秒
スマートコントラクトが使える
スマートコントラクトとは、決済などの契約を第三者を挟むことなく自動的に完了することです。
現在はスマートコントラクトはイーサリアムのみの特徴ですが、これが今後NEMでも使えるようになります。
スマートコントラクトが実装されることで、取引に仲介が必要なくなるため、実用性が高まります。
APIサーバーとチェーンの分離
現在はAPIと呼ばれるサーバーにネムのブロックチェーンが同期していますが、今後APIサーバーとの分離が予定されています。
APIサーバーと分離すると何が良いのかというと、NEMのバージョンアップが楽になることが挙げられます。
また、その他のAPIの開発効率をあげることができ、様々なアプリなどでNEMが使いやすくなります。
APIサーバーにNoSQLデータベースを採用
APIサーバーにNoSQLデータベースを採用することで、NEMの処理スピードが上がります。
NoSQLの採用により、先述した1秒間に4,000件のトランザクション処理が可能となります。
NoSQLは「非RDBMS」のことで、増え続けるデータを保存し続け、効率的にアクセスするために使用されます。
3レイヤーまでのマルチシグを実装
3レイヤーまでのマルチシグとは、NEM取引の契約に関して複数の承認が得られれば、他の少数の承認がなくとも契約を完了することができるシステムです。
承認には最大32人が参加することができ、不正なしに契約を締結することが可能です。
つまり、これまでの稟議や意思決定に関して、より早く正確に締結することが可能となります。
金融機関に特化した仕様へ
その他、ネムは今後カタパルトによって金融機関に特化した仕様に変化していきます。
具体的には、下記のようにアップデートされていきます。
- 単一ブロックチェーン上における複数の対応アセットを持つ台帳の管理が実装
- 全てのアカウントが複数台帳上で複数アセットを持つ=銀行のサービスに利用可能
- 全てのアカウントは金融機関のコントロール下に置かれる。マネーロンダリング対策となる。
- 監査証跡可能な取引の取り消しが可能=盗まれたNEMは売れない
ネム(NEM/XEM)の今後の将来性についてまとめ
仮想通貨のネム(NEM/XEM)について、今後の動向と将来性をまとめると以下のようになります。
- コインチェック事件の尾を引いて価格が停滞する可能性あり
- しかし、今後実装されていくカタパルトによって需要が高まり、上昇していく可能性も高い
- これまでのチャートを見ると、現在は最高値の1/5以下になっており、買い時ともいえる
ネムは2018年3月現在でも実際に取引に使用されはじめているため、通貨としては非常に面白いです。
その他、ネムについて詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてみて下さい。
2018年1月に最高値を記録したネムですが、現在は価格が40円前後で落ち着いています。今後、ネムの価格はどうなっていくのでしょうか。
ネムの今後に予定されているアップデートなどに言及しながら、動向を解説していきます。