仮想通貨ステラ(Stellar/XLM)をご存知ですか?
リップル(Ripple)を保有している方なら、ステラ(Stellar/XLM)の存在も知っているかもしれませんね。
というのも、ステラ(Stellar/XLM)はリップル(Ripple)をベースにして開発されたアルトコインで、その目的も金融アクセスを拡大させる決済システムとなっているので、リップル(Ripple)と同様に国をまたいだ送金・リアルタイム決済を容易に行うことができます。
リップル(Ripple)をもとに作られたと聞いて「リップル(Ripple)との違いってあるの?」と感じた方もいるのでは?
そこで今回は、ステラ(Stellar/XLM)の概要とあわせて、リップル(Ripple)との違いについても詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
仮想通貨ステラ(Stellar/XLM)とは?
通貨名 | ルーメン(Lumens):旧名ステラ(Stellar) |
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通貨単位 | XML:旧通貨単位STR |
公開日 | 2014年7月 |
発行上限枚数 | 1000億XLM+年1%ずつ増加 |
公式サイト | https://www.stellar.org/ |
仮想通貨ステラ(Stellar/XLM)の基本情報について、上記の表でまとめました。
現在の価格相場は、2018年5月28日現在では約30.0円となっています。

参照:Stellar (XLM) Price, Chart, Info | CoinGecko
ステラ(Stellar/XLM)の発行当初は1STR=0.25円ほどで売買されていましたが、2018年の1月には99円まで高騰する場面も見られました。
その後大きく価格を下げることになるのですが、他の通貨の暴落と比較するとそこまで価格が下落しておらず、その理由は後述しますがステラ(Stellar/XLM)の信頼性や期待感が背景にあると思われます。
ではステラ(Stellar/XLM)とは一体どのような通貨なのでしょうか?
通貨の略号はXML(ルーメン)
ステラ(Stellar/XLM)は、一般的に”ステラ(Stellar)”と呼ばれることが多いのですが、正式にはLumens(ルーメン)という通貨名称で、通貨単位はXLMになります。
なぜ名前が違うのかというと、ステラ(Stellar/XLM)の発行当時はステラ(Stellar)・STRという名前だったものの、2015年にステラ(Stellar/XLM)がアップデートされた際、『ステラ(Stellar)・STR』から『Lumens(ルーメン)・XLM』に変更されることとなったからです。
ですが、すでにステラ(Stellar)での呼び名が定着していることから、名称変更から3年経った現在でもLumens(ルーメン)と呼ばれることはほとんどありません。
開発者はマウントゴックス創業者
そんな仮想通貨ステラ(Stellar/XLM)ですが、開発した人は一時有名になった『ビットコイン交換所マウントゴックス』の創業者であるジェド・マケーレブ氏。
マウントゴックスは、2014年3月に起きた顧客のビットコインを大量に消失させた事件、いわゆるマウントゴックス事件を起こした取引所です。
他にも、リップル(Ripple)の開発に携わるなど、今もなお仮想通貨業界で活躍されている人物なので、ジェド・マケーレブ氏が開発したステラ(Stellar/XLM)ということで注目が集まりました。
ジェド・マケーレブ(Jed McCaleb)ってどんな人?
ビットコインの提唱者ナカモトサトシ当人であるという噂だけでなく、
ビットコイン取引所のマウントゴックス創設者でもあります。
更に仮想通貨リップルの立ち上げも行っています!
仮想通貨界の革命児であることは間違いありません。— ステラトレードジャパン (@stellartradejp) October 14, 2015
ステラ(Stellar/XLM)の運営に関しては、民間企業ではなくStellar Development Foundationという非営利団体が行っています。
ステラ(Stellar/XLM)はリップル(Ripple)をもとにして作られた個人向け決済システム
先ほど、ステラ(Stellar/XLM)の開発者であるジェド・マケーレブ氏が、リップル(Ripple)の開発をされたとお伝えしましたが、この2つは共通する部分が多いです。
というのも、ステラ(Stellar/XLM)はリップル(Ripple)をもとにして開発されたプラットフォームなので、基本的な仕組みに関しては同じと言えます。
どちらも共通して、国際間での支払いや決済を容易に行うことが可能となる通貨(ブリッジ通貨)・決済システムで、決済コストとなる手数料がほとんどかからず、何日もかかる送金時間を大幅に縮められるというメリットがあります。
リップル(Ripple)については、下記の記事で詳しく解説していますので、「リップル(Ripple)ってどんな仮想通貨?」という方は是非一読してみて下さい。
では、ステラ(Stellar/XLM)とリップル(Ripple)には、どんな違いがあるのでしょうか?
仮想通貨リップル(Ripple/XRP)とステラ(Stellar/XLM)との違い

ステラ(Stellar/XLM)とリップル(Ripple/XRP)には、大きく3つの違いがあります。
- 決済システムとしてのターゲット
- 通貨の発行上限枚数
- プラットフォームの基盤となるプロトコル
それぞれの違いについて、詳しく見ていきましょう。
決済システム
まずは、決済システムの違いについてです。
どちらも既存の決済システムの欠点を根本から解決する画期的な決済システムなのですが、ステラ(Stellar/XLM)とリップル(Ripple)ではターゲットとなる利用者が異なります。
リップル(Ripple)は企業利用
リップル(Ripple)の決済システムは、企業(金融機関)が利用することを前提として作られたプラットフォームです。
各国の銀行や企業による送金などの決済処理を、リップル(Ripple)の利用によって簡単にできるようになります。
ステラ(Stellar/XLM)は個人利用
一方で、ステラ(Stellar/XLM)の決済システムは、個人が利用することを前提として作られたリアルタイム決済のプラットフォームとなっています。
個人が利用するので、リップル(Ripple)に比べると決済金額も小さくなりますので、さらに送金スピードが速くなり、決済にかかる手数料も無料です。
用途としては、海外サイトでのショッピング、留学中の子供への仕送り、海外ホテルや各種サービスへの支払いなどが挙げられます。
発行上限枚数
次に、仮想通貨の発行上限枚数の違いです。
ステラ(Stellar/XLM)とリップル(Ripple)も、基本となる発行数は1,000億枚となっているのですが、決定的に異なるポイントがあります。
リップル(Ripple)の総発行枚数は上限あり・流通総量は減少していく
リップル(Ripple)の総発行枚数は、先ほどお伝えした通り1,000億枚となっていて、この枚数が発行上限となっています。
そして、リップル(Ripple)の特徴でもあるのですが、リップル(Ripple)は決済システムの手数料として消費されていきますので、市場に出回った1,000億枚のリップル(Ripple)は少しずつですが減少していきます。
ステラ(Stellar/XLM)の総発行枚数は年1%ずつ増加
ステラ(Stellar/XLM)も同様の発行枚数となっていますが、大きく異なるのはステラ(Stellar/XLM)は1年に1%のペースで発行され続けるという点です。
ステラ(Stellar/XLM)の決済システムを利用することで手数料として消費されていきますが、毎年少しずつ供給し続けることで価格相場の高騰を防ぐ目的があり、変動に左右されない安定した通貨を目指しています。
プロトコル
最後に、それぞれのプラットフォームの基盤となるプロトコルの違いについてです。
プロトコルは、その通貨の基盤となるルールのようなもので、リップル(Ripple)をもとにして作られたステラ(Stellar/XLM)ですが、実はこのプロトコルに違いがあります。
リップル(Ripple)のアルゴリズムはXRP Ledger
リップル(Ripple)は『XRP Ledger』という分散型台帳とも呼ばれるプロトコルを採用しています。
リップル(Ripple)を利用すると特定の承認者が選ばれ、そのうちの8割以上が合意しなければ取引は成立しません。
もし合意が得られなければ、取引台帳の分岐(フォーク)が発生する恐れもあり、別のリップル(Ripple)が生まれてしまうリスクを少なからず抱えている状態とも言えます。
ステラ(Stellar/XLM)のプロトコルは独自開発したSCPを採用
ステラ(Stellar/XLM)はリップル(Ripple)をもとに作られたため、最初はリップル(Ripple)のプロトコルををそのまま採用していました。
ですが、前項でご紹介したリップル(Ripple)の問題点があるため、2015年にはこれを解消した『SCP(Stellar Consensus Protocol)』という独自のプロトコルを採用しています。
チェーン分岐のリスク軽減や、データ負担への耐性も強化されたものとなっています。
仮想通貨ステラ(Stellar/XLM)の3つの特徴

ステラ(Stellar/XLM)のもととなったリップル(Ripple)との違いをお伝えしたところで、次にステラ(Stellar/XLM)ならではの特徴について見ていきたいと思います。
ステラ(Stellar/XLM)には、
- 迅速かつ簡易的に行える決済手段
- アカウント作成のFacebookを利用
- ステラ(Stellar/XLM)専用の公式ウォレット
など3つの特徴があります。
1.スピーディーな決済が可能!簡単に送金・保管・受け取りができる
ステラ(Stellar/XLM)の最大の特徴は、『迅速に完結できる決済スピード』です。
通常、他の国にお金を送金しようと思うと何日も時間がかかってしまうものですが、ステラ(Stellar/XLM)を利用することで複数通貨間の決済取引をあっという間(リアルタイム)に完了させてくれます。
また、送金決済にかかるコストも驚く程安く、手数料はほとんど”タダ(無料)”という優れモノ。
法定通貨 | ステラ(Stellar/XLM) | |
---|---|---|
決済速度 | 約4日 | 約2.0~5.0秒 |
決済手数料 | 数千円~ | 0.00001XLM(約0.0003円) |
国外への送金時に注目されがちですが、国内への送金でも今までの決済速度や手数料では考えられない程利便性が高いと言えます。
2.認証にFacebookを利用
ステラ(Stellar/XLM)は、アカウント認証にFacebook(フェイスブック)を利用するという特徴があります。
これは、国の規制でFacebookアカウントを持てない中国市場からの参入を防ぐ目的があり、ステラ(Stellar/XLM)の価格高騰や急落などの変動が起こりにくいように対処しています。
3.公式推奨ウォレット「Stellar account viewer」がある
ステラ(Stellar/XLM)には、ステラ(Stellar/XLM)の公式HPのstellar.orgにて推奨されているウォレットが『Stellar account viewer』というウォレットになっています。
また、Stellar account viewer以外にも対応のウォレットが複数存在します。
今後ステラ(Stellar/XLM)の価格が高騰する可能性は?将来性を判断する4つの要素

リップル(Ripple)をベースとしたプラットフォームで、今後世界中の決済手続きを簡略化させてくれることが期待できるステラ(Stellar/XLM)ですが、すでに個人向け口座は数百万口座も開設されている状況で、その将来性が伺えます。
さらにここでは、ステラ(Stellar/XLM)の将来性を感じさせる要素を、4つご紹介したいと思います。
1.世界的企業「IBM」との提携
1つ目は、あの世界的企業とも言える『IBM』との事業提携の発表です。
“ブロックチェーン・バンキング・ソリューション”という金融業をブロックチェーンによって改善・解決していくことを目的としたプロジェクトで、現在の金融機関が抱える『手数料・決済速度・取引エラー』などの問題を効率的に解消していこうとしています。
2.世界最大級の金融コンサルティング会社「Deloitte」との提携
2つ目は、世界でも有数の金融コンサルティング会社とも言われているDeloitteが、ステラ(Stellar/XLM)の決済システムの利用を進めていて、さらに共同開発によってプロトタイプの実用化に繋がっていることです。
24時間決済手続きが可能になる取引を目指していて、すでに現在でも取引手数料の40%削減や、送金完了までにかかる時間を5秒にすることに成功しています。
3.フランス・パリの送金業者「TEMPO」がステラ(Stellar/XLM)を採用
3つ目は、フランス・パリを拠点としているTEMPOという会社が、ステラ(Stellar/XLM)のプラットフォームを採用していることです。
送金業者として免許を持つTEMPOは世界への送金事業として取り組んでいて、ステラ(Stellar/XLM)の利用によって「安全性・透明性」の高い取引を、低コストで実現させています。
4.ナイジェリアの通信事業者「Parkway」で採用
4つ目が、ナイジェリアで通信事業を展開しているParkwayという会社が、モバイルマネーサービスの基盤システムとしてステラ(Stellar/XLM)の決済プラットフォームを採用していることです。
先進国とは異なり、ナイジェリアのような発展途上国では金融機関での口座開設へのハードルがとても高く、個人口座を持っていないケースも多く存在します。
そんな中、ステラ(Stellar/XLM)の決済システムを利用することで、スマートフォンから小額の決済手数料で送金が可能にしています。
こういった利便性が高く簡単に取引が行えるステラ(Stellar/XLM)の決済システムを利用した取引を行う流れは、今後他の国でも加速していくことが予想されます。
仮想通貨ステラ(Stellar/XLM)はどこで買える?購入可能な取引所

では、そんなステラ(Stellar/XLM)をいざ「購入しよう!」と思った場合、どこの仮想通貨取引所で購入することができるのでしょうか?
ステラ(Stellar/XLM)の売買取引が活発に行われている取引所としては、
などの海外の取引所となります。
日本国内の取引所では、現在のところステラ(Stellar/XLM)の取り扱いがありませんので、国内の取引所でBTC(ビットコイン)を購入したあとに、上記のような海外取引所に送金しステラ(Stellar/XLM)を購入する流れとなります。
どの取引所の口座開設をすればいいか悩んでいる人は、まずはBinance(バイナンス)の口座を開設しておけば間違いありません。
バイナンスの口座開設の方法は、こちらの記事で優しくご紹介していますので是非参考にして下さいね。
まとめ
仮想通貨ステラ(Stellar/XLM)についてお伝えしましたが、ステラ(Stellar/XLM)の魅力が伝わりましたでしょうか?
開発ベースの段階でリップルとの共通点が多くある一方で、その将来性を左右する要素を十分すぎるほど抱えていることが分かります。
- 開発者やベース通貨の信頼性が高い
- 世界規模での提携・採用の流れがある
- 簡単に利用できる個人用決済システムで普及する可能性の高さ
ステラ(Stellar/XLM)については、上記でまとめることが出来ます。
今回お伝えしたようにステラ(Stellar/XLM)は供給量のコントロールによって価格の安定をはかっている一面もあり、価格が何十倍にも暴騰するような成長は見込みにくい通貨と言えそうです。
とはいっても、これから先実用化される可能性が非常に高い仮想通貨の1つだと思いますので、今後の将来性を考えて投資対象にしてみてもいいかもしれませんね。